本編
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前日碑 - 連載を意識して書いた部分です。
うーちゃんの独白で、眠りにつくまでの世界の断片です。
僕の見た夢 - 2013/09/16更新
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あらすじ:

ウロボスこと、うーちゃんが10年ぶりに目覚めたその時。
世界は終わり、病院の地下にある秘密結社は天井をぶち抜かれて瓦解し。
一緒に育った線の細い幼なじみはガタイのいい義手の男になり。

そうして、目覚めたばかりのうーちゃんの足下に跪いてこういいました。

「おはようございます、首相」と。

見た目中学生の怪人×ガタイのいい義手の悪の頭領の、ぐだぐだたまにヘヴィな日常風景。

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お題:俺は子犬 必須要素:一発ギャグ 制限時間:15分

即興小説より。膝枕プレイ。
「ちぃちゃんちぃちゃん! おいでおいでー!」

 執務机から身を乗り出してブンブン手を振る我が首領殿。……俺は犬か。

「首領、とりあえず椅子におすわり下さい」
「ちぃちゃん今日は機嫌が悪いね」

 ふふん、と胸を張るうーちゃんを半目で見下ろす。が、うーちゃんは動じない。
じっと俺の顔を見上げて、物知り顔でうんうんと頷き。きっと顔を引き締める。

「で、何のお願いですか?」
「えっ、ちぃちゃん分かるの?」

 分からないでか。幼少期の五年、最近の数日を側で一緒に過ごした仲なのだ。うーちゃんが俺に対して知っている何かと同じくらい、うーちゃんについて俺は知っている。

「……それで首領、ご用件は?」

 それを知らしめる為に鷹揚に頷くと、ちぃちゃんはキッと睨むように目を合わせ、薄く形良い唇を開く。

「あのね、ちぃちゃん、膝枕」
「……しろと?」
「違うよ! させて?」

 ぺしぺし、と、少年らしく肉のない太腿をズボンの上から叩くうーちゃんを見つめるが己で分かる程冷ややかになっていく。

「執務」
「首領権限で今日はおやすみにします!」
「朝の挨拶」
「もう済ませました……ねぇ、首領の力は絶対なんでしょ? ちぃちゃんルールだと」
「ちぃちゃんルール言うな、規律と言え」

 ぐぬぬ、と唸りながら互いに睨み合うも、「そのままだと一発ギャグをさせるよ」といううーちゃんの鶴の一声に、結局俺は折れた。

「ちぃちゃん、ソファはちょっと狭かったかなぁ。ちょっと前は二人で横になれたのにねぇ」
「……」

 いつもの昔話を始めたうーちゃんの骨っぽい膝に頭を預け、応接用にある対の二人がけのソファの片方に俺は寝転んでいる。

 身体を無理に曲げて収まったソファ、頭を座ったうーちゃんに預けるその姿勢は中々の羞恥プレイだ。

「寝てもいいんだよ、ちぃちゃん」

 そう言われながら頭を撫でられてるとそれこそ子犬のようだ。
 なのでうぅと唸って抗議を示してみたが、それこそ歌舞伎俳優のように涼しい顔に黙殺され。

 結局俺は小一時間、いい年をして少年に膝枕されるという屈辱をありがたく享受することとなった。
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